ウーロン茶が薄毛を治すのに効果があるというのは本当か?

薄毛に悩んでる人は、『◯◯◯が薄毛にいい』といった情報に敏感になっていると思うので、ウーロン茶に薄毛を治す効果があるなんて話を聞いたら、きっと気になるんじゃないかと思います。
仮に、もしそれが本当だとしたら画期的な話だとは思いますが、このように『◯◯◯が薄毛にいい』なんて話はごまんとあるので、どうしても疑いの目で見てしまいます。とはいえ、緑茶に含まれているカテキンが、薄毛の原因のひとつとされるⅠ型5αリダクターゼを抑制する効果があると言われているので、ウーロン茶にも何らかの効果があるんじゃないかと、ついつい期待もしてしまいます。
なので、実際のところどうなのか!?ウーロン茶に薄毛を治す効果があるのか無いのかを見ていきたいと思います。
目次
ウーロン茶による薄毛改善の噂の出所は?
この話は、日本薬学会第136年会(2016年3月26日~29日)において、リーブ21が発表した
『抗男性ホルモン作用を介したウーロン茶エキスの育毛効果』によって広まりました。
https://www.reve21.co.jp/files/2016/NewsRelease_20160323.pdf
これによると、ラットを使った実験にはなりますがウーロン茶には『5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型』両方を阻害する効果があることが確認されています。
AGA(男性型脱毛症)による薄毛は、テストステロン(男性ホルモン)と5αリダクターゼ(酵素)が結びついてできるDHT(ジヒドロテストステロン)が原因となっているので、5αリダクターゼを阻害できれば薄毛を防ぐことが出来ます。
また、薄毛にとってより悪質なのは、Ⅱ型の5αリダクターゼとなるので、これを阻害できるウーロン茶は、カテキンより薄毛に効果があるといえます。その証拠に、フィナステリドやエストラジオールと同等の作用が確認されています。
フィナステリド・・Ⅱ型5αリダクターゼを阻害し、テストステロン(男性ホルモン)がDHT(ジヒドロテストステロン)に転換されるのを抑制する薬
エストラジオール・・ エストロゲン(卵胞ホルモン、女性ホルモン)の一種で、エストロゲンの中で最も強い生理活性を持つ
世界薄毛ランキング
ここまでだと、確かに効果がありそうだけれども、人の頭皮による実験ではないので、信用するまでには至らないと思います。それなら、ウーロン茶をよく飲んでる人が、実際に薄毛なのかどうかを調べればよくって、ウーロン茶といえば、やはり中国や台湾になると思います。中国や台湾の人に薄毛の人が少ないかを調べれば、ウーロン茶に薄毛を治すのに効果あるかの目安になるかもしれません。
そこで、アデランスが世界21カ国・地域に専門の調査員を派遣し、男性の通行人を肉眼で判定して薄毛率を調べた『世界薄毛ランキング』があるので、見てみましょう。
<<世界薄毛ランキング(21カ国・地域、男性)>>
順位 | 国・地域名(都市名) | 薄毛率(%) |
---|---|---|
1 | チェコ(プラハ) | 42.79 |
2 | スペイン(マドリッド) | 42.60 |
3 | ドイツ(フランクフルト) | 41.24 |
4 | フランス(パリ) | 39.24 |
5 | 英国(ロンドン) | 39.23 |
6 | 米国(ニューヨークなど) | 39.04 |
7 | イタリア(ミラノ) | 39.01 |
8 | ポーランド(ワルシャワ) | 38.84 |
9 | オランダ(アムステルダム) | 37.93 |
10 | カナダ(モントリオール) | 37.42 |
11 | ロシア(モスクワ) | 33.29 |
12 | 豪州(シドニー) | 30.39 |
13 | メキシコ(メキシコ市) | 28.28 |
14 | 日本(東京) | 26.78 |
15 | 香港 | 24.68 |
16 | シンガポール | 24.06 |
17 | タイ(バンコク) | 23.53 |
18 | 台湾(台北) | 22.91 |
19 | マレーシア(クアラルンプール) | 22.76 |
20 | 韓国(ソウル) | 22.41 |
21 | 中国(上海) | 19.04 |
これをみると、最も薄毛率の低い21位が中国(上海)、18位に台湾(台北)が入っていて、それっぽく感じるのですが、よくみると下位はすべてアジアの国になっています。ただ単に西洋人に比べて東洋人が薄毛になりにくいと言うのであれば、ウーロン茶はあまり関係ないものになります。
そもそも、ウーロン茶の生産国として中国や台湾は有名ですが、実際にそこの人が好んで飲んでるかはまた別の問題となります。なので、実際に中国や台湾でウーロン茶が飲まれているかを見てみましょう。
中国や台湾の人はウーロン茶を飲んでいるのか?
ウーロン茶の生産量は、中国の福建省がトップで、次が台湾となります。しかし、中国の茶葉生産の60%以上は緑茶が占めていて、青茶(烏龍茶)は10%前後の生産となっています。しかも、その多くが中国国内で消費されているので、より多くの中国人に飲まれているは緑茶ということになります。
特別にウーロン茶が飲まれているというわけではなく、日本でのウーロン茶と同じような感じなのかなと思います。
次に台湾になりますが、農業委員会(農林水産省に相当)が発表した統計によると、台湾で栽培される茶葉の年間生産量約1万4000トンのうちウーロン茶が占める割合は95%もあるそうです。しかも、台湾で栽培される茶葉のの約9割は家庭用として飲まれ、1割だけが商用利用されているらしいです。
となると、台湾の人はウーロン茶ばかり飲んでるように思いますが、台湾が輸入した外国産茶葉の総量は3万2373トン(そのうち紅茶43%、緑茶33%、プーアール茶11%)もあるのでウーロン茶の占める割合は3割程度になります。
おまけに、炭酸飲料やコーヒーなども飲んでるでしょうし、台湾の人はウーロン茶ばかり飲んでるというわけではなさそうです。
まとめ
今の段階では、ウーロン茶に薄毛を治す効果があるのかどうかは、わからないとしか言いようがありません。そもそも世界薄毛ランキングで、ウーロン茶の効果なんてわかるはずがありませんよね(笑)
リーブ21が発表した実験結果にしても2016年のものなので、人間の頭皮での効果を証明するまでには、まだまだ時間がかかると思います。
しかし、ウーロン茶自体に害があるわけでもないので、試してみる価値はあると思います。ウーロン茶が嫌いでなければ、普段飲んでる飲み物をウーロン茶に替えるだけなので簡単にできます。もちろん、すぐに効果が出るわけではないので、しばらく続けないといけないのですが、それで抜け毛が減ったなら儲けものだと思いますよ。