ノコギリヤシに抜け毛を減らす効果はあるのか?

ノコギリヤシについては、通販番組やCMなどで目にする機会が多いと思うので、その効果についてあまり知らなかったとしても、
『何か体に良さそう』
だというイメージは持っているんじゃないかと思います。
実際には、良性前立腺肥大症にともなう排尿困難、頻尿などの改善作用、抗炎症作用などの効果が期待され、ノコギリヤシ配合のサプリメントも数多く販売されています。
また、ノコギリヤシは育毛にとっても重要な成分として位置付けられていて、多くの育毛剤や育毛サプリメントなどにも配合されています。
なぜそうなのかは、ノコギリヤシには抜け毛予防効果があると言われているからなのですが、実際にはどれだけの効果が期待できるのでしょうか!?
ノコギリヤシとは?
まずはノコギリヤシとはどういった植物なのかから見ていきましょう。
ノコギリヤシは大西洋岸平野からメキシコ湾岸低地に生息しているヤシ科の植物です。
正式な学名は『セレノア・レペンス』と言いますが、木の高さが2~4m程度の低木で、その幹に生い茂る長いギザギザの葉柄がノコギリの形に似ていることから、日本ではノコギリヤシと呼ばれています。
他にも『ノコギリパルメット』や『ソウパルメット』などとも呼ばれたりします。
その果実にはオレイン酸やラウリン酸などの脂肪酸や植物ステロールが含まれており、特に植物性ステロールの一種である『βーシトステロール』はヨーロッパで良性の前立腺肥大症の治療に用いられることもあります。
ノコギリヤシに抜け毛を減らす効果はあるのか?
AGA(男性型脱毛症)の原因となってる5αリダクターゼを抑制する作用があると言われている主なものに、
●プロペシア(成分:フィナステリド)
●ザガーロ(成分:デュタステリド)
●ノコギリヤシ(β-シトステロールを含む抽出物)
●亜鉛
があります。
5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があるのですが、ノコギリヤシはその両方に効果があるとされています。
実際にノコギリヤシが5αリダクターゼを抑制できるのだとしたら、抜け毛は確実に減っていくのですが、その確固たる証拠は今のところありません。
なので証拠がない以上、ノコギリヤシには抜け毛を減らす効果があるとは断定もできないし、かといって否定もできないというのが、今のノコギリヤシの実情なんだと思います。
ノコギリヤシは使用すべきでない?
そうなると、ノコギリヤシをとっても無意味だと思った人もいるかも知れませんが、実際はそうだとも言い切れません。
今のところAGAに効果があると証明できてないだけで、効果がないと証明されたわけでもありません。
同じように5αリダクターゼを抑制する作用のあるものにプロペシアやザガーロがありますが、これらは医療用医薬品になるのでわざわざ病院で処方してもらう必要があります。
なので、
「病院には通いたくない」
「病院に通うほどの薄毛でもない」
というのであれば、積極的にノコギリヤシを使用してみるべきだと思いますし、できれば亜鉛も配合されている育毛サプリメントを使用することで、より効果が期待できるのではないかと思います。
抜け毛を減らすだけでなく髪の毛を増やしたいなら
抜け毛を減らしたいだけでなく、髪の毛を増やしたいのならば、
①髪の毛の成長を促す
②抜け毛を防ぐ
③頭皮環境を整える
の3つが大事であり、ノコギリヤシの効果については、②の抜け毛を防ぐ効果が期待されるだけなので、それだけで髪の毛を増やすことは難しいです。
シャンプー、育毛剤、発毛剤、サプリメント、薬、低周波レーザーなど、育毛に関する商品は色々ありますが、単独で使用するにしても、いくつか組み合わせて使用するにしても、上記①~③の効果があるのもが含まれている必要があります。
なので、髪の毛を増やしたいのならノコギリヤシを使用する場合にも、①と③の効果のあるものも同時に使用(または服用)するようにしてください。