なぜミノキシジルで髪が生えてフィナステリドで抜け毛が減るのか?

ミノキシジルとフィナステリドのお陰で、薄毛は改善することが可能となりました。
とはいえ、未だに薄毛を治すなんて無理だと思ってる人が一定数いるのも事実です。
また、AGA(男性型脱毛症状)の改善に、ミノキシジルやフィナステリドを使用している人のなかにも
ミノキシジル=髪の毛が生える
フィナステリド=抜け毛を減らす
くらいの事は知ってても、なぜそうなるかまでは、知らなかったりもします。
そんなの知らなくても、薄毛が治ればそれでいいと思ってるのかも知れません。
しかし、ミノキシジルを使い髪の毛が生え、フィナステリドを使い抜け毛が減る仕組みを知れば、自分の中にその治療法に対する、根拠が生まれます。
そうなると、今まで髪の毛が増えるということを信じられなかった人も、それを信じることが出来るようになります。
すでに、ミノキシジルやフィナステリドを使った薄毛治療をしているのであれば、薄毛改善にさらなる自信がもてるようにもなります。
また、これを知ることで、ミノキシジルやフィナステリドを使用をしない薄毛対策の参考にもなるかもしれません。
薄毛に悩んでいる人には、是非とも押さえておいて欲しいところなので、これを機会に理解していきましょう。
髪の毛が生えてから抜けるまで
さっそく、ミノキシジルで髪の毛が増えて、フィナステリドで抜け毛が減る理由について話したいところなんですが、それより先に、髪の毛がどのようにして生えて、そして抜けていってるかを知っておく必要があります。
なので、そちらから先にお話します。
髪の毛のヘアサイクル(毛周期)
髪の毛1本1本には寿命があり、伸びては抜け、そしてまた新しく生えるをくりかえしています。
これをヘアサイクル(毛周期)と呼んでいます。
下の画像をご覧下さい。ヘアサイクルの流れになります。
「成長期」から「脱毛&新生期」まであり、これを繰り返すことになります。
成長期(2〜6年):髪の毛が成長する段階です。なお、約10万本あるといわれる髪の毛の約80~90%が成長期の段階にあります。
退行期(1〜2週間):休止期に移行する過程の時期となります。髪の毛は、毛乳頭や毛母細胞(毛の根元にあるピンクの丸い部分)から離れていき、成長しなくなります。
休止期(3〜4か月):毛球(毛の根元にある球状にふくらんだ部分)が完全に退化します。成長が止まった髪の毛は、頭皮表面に向けてだんだん上に上がっていき、抜け落ちる準備をします。
脱毛&新生期:新しい髪の毛が作られ、古い髪は自然脱毛します。
なお、ヘアサイクルに乱れのない人は、1日に約50~100本の髪の毛が抜け落ちてると言われています。
髪の毛が生えてくる仕組み
下の画像を見てください。頭皮から生えている髪の毛になります。
頭皮の下にある髪の部分を毛根といいますが、毛根のいちばん下にある組織を毛乳頭といい、画像の中の黄色い丸の部分がそれにあたります。
毛乳頭は、毛細血管から運ばれてくる栄養や酸素を取り入れる役目を持っています。
そして、毛乳頭の周りには、毛母細胞が存在します。オレンジの部分(赤い丸)がそうです。
毛母細胞は、毛乳頭から栄養素や酸素を受けとり、細胞分裂を繰り返しながら、髪の毛をつくりだしています。
そうすることで、髪の毛は成長したり、新たに生えてきたりするのです。
毛乳頭と毛母細胞の働きが、発毛のカギを握ってるのがわかったと思います。
AGA(男性型脱毛症)が起こる仕組み
先ほど誰でも毎日、約50~100本の抜け毛があるという話をしました。
しかし、薄毛の原因としてもっとも多いAGA(男性型脱毛症)を発症すると、その本数はぐっと増えていきます。
AGA(男性型脱毛症)は、悪玉男性ホルモンとも呼ばれるDHT(ジヒドロテストロン)によって引き起こされます。
DHTは、毛細血管を流れてきたテストステロン(男性ホルモン)が、毛乳頭に存在する5αリダクターゼ(特にⅡ型)という酵素と結びつくことで生成されます。
Ⅱ型の5αリダクターゼは、前頭部から頭頂部という薄毛になりやすい場所の髪の毛(毛乳頭の中)に多く存在するので、そこに多くのDHTが生成されることになります。
そしてDHTは、毛乳頭細胞(毛乳頭に存在する細胞)にあるホルモンの情報を受け取るレセプター(受容体)と結合して、脱毛因子「TGF-β」を増やします。
さらに、TGF-βから『脱毛指令』が、別の脱毛因子「FGF-5」に伝達され、髪の毛を成長させる役目をもつ、毛乳頭や毛母細胞に『髪の毛がぬけるように』という脱毛指令を出します。
それによって、まだ伸び続けるはずだった「成長期」にある髪の毛が、退行期・休止期にシフトし、抜け落ちるのです。
難しい言葉がならんで、わかりにくかったですかね?
簡単に説明すると、
●DHTが増えることで、脱毛因子が増える。
●脱毛因子が、髪の毛を作っている、毛乳頭や毛母細胞に脱毛指令をだす。
●その指令によって髪の毛が抜ける。
●DHTは、前頭部から頭頂部に多く発生するので、そこが薄毛になる人が多い。
といった感じでしょうか。
フィナステリドが抜け毛を防ぐ仕組み
ここでは、フィナステリドがなぜ、抜け毛を防ぐのかを説明したいと思います。
フィナステリドは、抜け毛の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の発生を抑える成分で、プロペシア、フィンペシア、フィナロイドなどの商品名で売られています。
先ほど『AGA(男性型脱毛症)が起こる仕組み』の中で、DHTは、テストステロン(男性ホルモン)と5αリダクターゼが結びつくことで生成されると話しました。
5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、特にⅡ型5αリダクターゼは質が悪いといわれていて、前頭部から後頭部にかけてより多く存在しています。
フィナステリドは、このⅡ型5αリダクターゼを阻害して、テストステロンがDHTに転換されないようにし、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増えるのを防ぎます。
Ⅱ型5αリダクターゼは、前立腺にも多く存在するので、DHTが原因とされている前立腺肥大症にも効果があります。
しかし、フィナステリドはⅠ型5αリダクターゼには効果がありません。
ですが、Ⅰ型5αリダクターゼにも効果があり、Ⅱ型5αリダクターゼもフィナステリドの3倍強く阻害するデュタステリドという成分もあります。
こちらは、『ザガーロ』という商品名で知られています。
フィナステリドよりザガーロの方が、より抜け毛に効果があるというわけです。
フィナステリドの副作用
フィナステリドの副作用としては、性的なものが多いです。
●性欲減退
●勃起不全
●精子の減少
●睾丸痛
などが知られています。
他にも、肝障害などが生じる恐れがあるといわれています。
フィナステリドはDHTの生成を抑える薬ですが、DHTにも役目というものがあります。
まず、母親の胎内にいる時に男性器を発達させる働きがあります。
その他にも、
・ひげが生え始める
・体つきが変わってくる
・声変りが起こる
といった思春期になって現れる、性器以外の発達にも影響しているそうです。
しかし、フィナステリドの副作用として、性的なものが多いということは、まだ知られてない大人の男性器にとっても何か大切な働きをしている可能性もあるかもしれませんね。
ミノキシジルで髪の毛が生えてくる仕組み
ミノキシジルはもともと、降圧剤として開発されたもので、血管拡張作用があります。
血流がよくなることで、体中に栄養が行き届くので、髪の毛にもよさそうです。
しかし、それだけだと他の降圧剤でも髪の毛が生えてきそうなものですが、発毛効果があるのはミノキシジルのみです。
ミノキシジルは、「毛母細胞」や「毛母細胞にシグナルを伝える毛乳頭細胞」に直接働きかけることで、発毛を実現させてると言われています。
なぜ、外用薬(発毛剤)のミノキシジルより、経口薬のミノキシジル(ミノキシジルタブレット)の方が効果があるのかといえば、血流にのって毛乳頭に行く方が、頭皮を伝って行くよりも、より吸収されやすいからでしょう。
血管拡張作用により血流がよくなってるので、なおさら毛乳頭に届きやすいと思います。
DHT(ジヒドロテストステロン)の影響で、毛乳頭や毛母細胞の働きが抑制されて、抜け毛の後に髪の毛が生えてきづらかったのが、
ミノキシジルの影響で、毛乳頭(細胞)や毛母細胞が刺激を受けることで、新たに髪の毛が生えてくるようになります。
毛乳頭(細胞)や毛母細胞に刺激を与えることこそ、発毛への近道であり、それを可能としているがミノキシジルで、その中でも最強なのがミノキシジルタブレットとなるわけです。
ミノキシジルの副作用
そうなると、発毛に関してはミノタブ一択となるはずなんですが、それが簡単にはいきません。
なぜなら、ミノタブだけでなく、ミノキシジルには重大な副作用があるからです。
ミノキシジルの副作用に関しては、次の記事を参考にしてください。
⇒ 知らないと大変!ミノタブの服用前の注意点と初期脱毛などの副作用
まとめ
ミノキシジルの発毛の仕組みと、フィナステリドの抜け毛を防ぐ仕組みを見ていただいて、髪の毛を増やすことは可能であることが分かったと思います。
昔と違い、ハゲはもう治ります。
決して夢物語ではありません。
とはいえ、人によってはミノタブやフィナステリドを使用できない人もいるでしょう。
しかし、
・なぜミノキシジルは発毛するか?
・なぜフィナステリドで抜け毛が減るか?
を理解してもらえたら、数ある育毛剤の中からどれを選べばいいかの判断にもなることでしょう。
この記事があなたの薄毛対策の参考なれば幸いです。