ミノキシジルはアルコール飲酒後に使用しても大丈夫なのか?

薄毛との戦いは長いこと続くので、その間、仕事が終わってから飲み会なんて普通にあると思います。
そして、酔っぱらって家に着いた時に、ミノキシジルを使用し忘れてることに気付たらどうしますか?
風呂に入るのさえ面倒くさいような状態だったら、発毛剤(ミノキシジル配合)を使用することは少ないんじゃないと思います。しかし、ミノキシジルタブレット(ミノタブ)だったら、ただ飲むだけなので、使用しようかどうか迷ってしまうかもしれません。
酔っ払い度合いによっては、ミノキシジルの存在自体を忘れてしまってるようなこともあるでしょうし、場合によってはミノキシジルを無意識に使用してしまってる恐れもあります。
実際のところどうするべきなのか?薄毛との戦いは長く続くからこそ、ミノキシジルとお酒の関係についても、正しく理解しておく必要があります。
目次
ミノキシジルは飲酒後に使用してはいけない
ミノキシジルとお酒については、様々なことが言われています。
特にミノキシジルタブレットについては、服用前7時間程度は飲酒を控えるようにといった意見や、お酒を飲むと薬が溶けやすく効果が落ちるため前後3時間は服用しないようにといった意見もあります。
お酒の強さには個人差がありますし、お酒とミノキシジルを使った臨床実験は行われていないと思うので、正確なことは言えないというのが実情なんでしょう。
しかし、これらの意見に共通するのは、お酒を飲む際はミノキシジルを使用してはいけないということです。
ただでさえ、ミノキシジルには副作用の恐れがあります。
安全を考えるならアルコールを飲むときは、飲酒後のミノキシジルの使用は控えるようにしましょう。飲酒後だけでなく、飲酒前もそうですし、もちろん飲酒中も使用しないほうがいいです。
お酒を飲むとなったらミノキシジルの使用は控えるべきで、これからその理由をお話ししたいと思います。
ミノキシジルとお酒は同じ作用をもっている
ミノキシジルは元々、血管拡張薬として開発された成分で、高血圧患者の経口薬と使用されていました。それが副作用として髪の毛が生えてくることが判明したことで、薄毛の治療薬として使用されるようになりました。だからミノキシジルには、発毛だけでなく、血圧を下げる効果も備わっているわけです。
そして、アルコールを飲んだ際にも、一時的ですが血圧が下がり脈拍が増えます。アセトアルデヒドという物質が血液中に増え、血管を広げるためです。
なので、この二つ(ミノキシジルとお酒)を同じようなタイミングで使用すると、血圧が一気に下がりすぎてしまい、様々な症状を引き起こしてしまう恐れがあります。
低血圧の人が訴える症状には、立ちくらみ、めまいが一番多く、倦怠感、易疲労感、元気が出ない、動悸、眠気、手足の冷感などがあります。ミノキシジルの副作用としても『動悸』が起きる人は多いので、血圧が下がりすぎることを軽視すべきではありません。
お酒を飲むとなったら、同じようなタイミングでのミノキシジルの使用は控えるべきで、間違ってもミノキシジルタブレットを服用する際に、お水ではなくお酒で飲むなんてことはしないでください。
肝臓に負担をかけてしまう
『お酒をよく飲む人は休肝日をもうけましょう』と言われるように、肝臓とアルコールに深い係わりがあることは知られたところです。アルコールを飲むと胃から20%、小腸から80%が吸収され、その大部分が肝臓で処理されます。
例えば、日本酒 1合のアルコールを処理するとしたら、3~4時間かかると言われていて、お酒の量が多いとその分肝臓への負担もかかってしまうことになります。
そして、ミノキシジルも肝臓で分解されるので、ミノキシジルとアルコールを同じようなタイミングで使用することにより、肝臓の働かせすぎによる肝機能低下を招く可能性があります。
また、ミノキシジルと同時に使用することが多い、フィナステリドも副作用として肝機能障害が報告されているので、お酒を飲む際には使用しないよう注意してください。
そもそもお酒は髪の毛に悪いのか?
お酒をよく飲む人で、髪の毛がフサフサの人もいれば、薄毛の人もいます。お酒を飲まない人でも同じですよね。なので”お酒を飲む=薄毛になる”というわけではありません。
しかし、アルコールと薄毛の間に直接の因果関係は解明されてないですし、”絶対にお酒と薄毛は関係ない”とは言い切れないので、お酒が髪の毛に悪いといわれている理由については把握しておいて、普段から気を付けておく必要があると思います。
なお、アルコールが髪の毛に悪いと言われる理由には、以下のようなものがあります。
アルコールによるアセトアルデヒドの増加
アセトアルデヒドは、血液中のアルコールが肝臓で分解された中間代謝物質で、吐き気、呼吸促拍、動悸を起こすなど、アルコールよりも数倍も強い生体反応を起こす有害物質です。
そんなアセトアルデヒドは体内で無毒化され、酢酸に変化するのですが、その過程で髪の成長や維持に大切な役割を果たしているアミノ酸、ビタミンB、亜鉛といった栄養素が多量に消費されてしまうので、薄毛につながるのではないかと言われています。
また、アセトアルデヒドはAGA(男性型脱毛症)による薄毛の大きな原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)を増加させるともいわれていますが、もしこれが本当に証明されたなら、お酒は薄毛に影響すると断定されることになるでしょう。
アルコールによる睡眠の質の低下
睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠があり、ノンレム睡眠は深い眠り、レム睡眠は浅い眠りのことで、睡眠時間中にはこれらの睡眠が4~5回程度繰り返されるといわれています。
しかし、お酒を飲むと短時間でノンレム睡眠に入りやすく寝つきはよくなりますが、アセトアルデヒドの影響で、ノンレム睡眠が阻害され、レム睡眠の時間が長くなるので、睡眠が浅くなってしまい、睡眠不足となってしまいます。
睡眠不足よって自律神経が乱れたり、ホルモンのバランスが悪くなると、抜け毛が増加するといわれています。
睡眠不足と薄毛についても、その因果関係については肯定・否定いろいろありますが、睡眠不足が髪の毛や体にとってプラスにならないのは明らかなので、気を付けるに越したことはないでしょう。
ミノキシジル服用中は禁酒にするべきか?
厚生労働省は『健康日本21』の中で、節度ある適度な飲酒は、男性で1日平均純アルコールで20g程度、女性に関しては、男性に比べてアルコール分解速度が遅いため、男性の1/2~2/3程度の飲酒が適当であるとのべています。
しかし、アルコール20gで飲めるお酒の量はとても少なく、おおよそにはなりますが酒の種類別でみると、以下のようになっています。
●ビール(アルコール度数5度):中瓶1本(500ml)
●日本酒(アルコール度数15度):1合(180ml)
●ウイスキー(アルコール度数43度):ダブル1杯(約60ml)
●焼酎(アルコール度数25度):0.6合(約110ml)
●ワイン(アルコール度数14度):1/4本(約180ml)
●チューハイ(アルコール度数5度):1.5缶(約520ml)
これくらいだったら、毎日飲んでも構わないというわけなんですが、もちろん飲酒中とその前後は、ミノキシジルを使用してはいけません。
しかし、ミノキシジルを使用するために禁酒なんてする必要はなく、普段からお酒を飲むような人だったら、ミノキシジルの使用を朝~昼あたりに変えれば問題ありません。(あくまで夜お酒を飲む前提ですが)
たまにお酒を飲むような人で、夜にミノキシジルを使用している人だったら、お酒を飲んだその日のミノキシジルの使用はやめましょう。そして、次の日の夜にミノキシジルを服用する際には、飲み忘れた分を追加で服用してはいけないので注意しましょう。
今回は基本的なことを話しましたが、お酒については、苦手な人もいれば、いくら飲んでも酔わない人もいるなど個人差が大きいので、ミノキシジルとお酒について何らかの疑問があるようならば、AGAクリニックに相談してみるのと良いでしょう。
なお、ミノキシジルを服用する際にはお酒以外にも注意してほしいことがあるので、以下の記事も参考にしてみてください。