ピディオキシジル(ミノキシジル誘導体)は薄毛に効果があるのか?

育毛剤(スカルプエッセンスを含む)を購入する際には、どんな成分が配合されているのかが大事になってきます。
育毛剤を使うということは、恐らくAGAクリックなどに頼らずに、自力での薄毛回復を目指してるという事だと思うので、もしそうだとしたら、それなりの知識の吸収が必要であり、特に配合されてる成分については、どのよう効果を発揮するのかを正しく理解しておく必要があります。
リデンシル、アデノシン、キャピキシルなど注目されている育毛成分はいくつもありますが、人気スカルプエッセンス「フィンジア」に配合されていることや、別名「ミノキシジル誘導体」と呼ばれてることから注目を集めている成分が、『ピディオキシジル※』になります。
※ピディオキシジルとは、日本のみの呼び方であり、海外ではピロリジニルジアミノピリミジンオキシド(通称コピロール)と呼ばれています。
ピディオキシジルとミノキシジルの違いとは?
ピディオキシジルはミノキシジルの構造を少し変えて、副作用が出ないようにした物質なので、化学式でみるとピディオキシジル『C8H13N5O』、ミノキシジル『C9H15N5O』となっていて、炭素(C)と水素(H)の値が若干違うのみとなっています。
この若干の違いが、ピディオキシジルの副作用を無くしている訳なのですが、その違いが元々ミノキシジルに備わっている発毛・育毛効果にまで影響してないかが、重要となってきます。
ピディオキシジルの臨床試験のデータは?
ピディオキシジルについては、人間に対して使用された臨床試験のデータがあまりありません。
マウスの背中を使って、その効果を証明したものもあったりはするのですが、実際に人間の髪の毛を使ったものではないので、その効果にはどうしても疑問が残ってしまいます。
また、フィンジアの臨床試験の結果から、ピディオキシジルには薄毛改善の効果があるなんて言ってるサイトもあるのですが、フィンジアにはピディオキシジル(2%)以外にも、キャピキシルが5%、それ以外にも複数の成分が配合されているので、その結果から、ピディオキシジルに薄毛改善の効果があるというのは、強引すぎるといえるでしょう。
ピディオキシジルに副作用がないのはいいことなのか?
ミノキシジルには、多毛症、むくみ、動悸など多数の副作用が報告されています。しかし、これらの副作用は、ミノキシジルに発毛・育毛に効果があるから起きるのです。
多毛症については、ミノキシジルが毛の成長に大事な毛乳頭や毛母細胞に働きかけてる証拠となりますし、むくみや動悸については、血管が拡張し、血流がよくなったことで起きる事なので、髪の毛まで栄養が届きやすくなった証拠ともいえるでしょう。
ピディオキシジルが配合されているものは、医薬品(発毛剤)でも医薬部外品(育毛剤)でもなく、化粧品扱い(スカルプエッセンス)となってしまうので、副作用の心配はほとんどありません。
しかし、先程話したように、ミノキシジルに副作用が起きるのは、発毛・育毛効果が出ている証拠ともいえるので、副作用のないミノキシジル(ピディオキシジル)だと、髪の毛を成長させる効果に、どうしても疑問を感じてしまいます。
リアップ(発毛剤)の副作用
とはいえ、ミノキシジルの副作用の多くは、飲んで使うミノキシジルタブレット(ミノキシジルの錠剤)使用によるものです。なので、ミノキシジル配合の発毛剤リアップの副作用も見てみたいと思います。
関係部位 症状 皮膚 頭皮の発疹・発赤*、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感等 精神神経系 頭痛、気が遠くなる、めまい 循環器 胸の痛み、心拍が速くなる 代謝系 原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみ *:頭皮以外にあらわれることもあります。
出典:大正製薬 商品情報サイト
頭皮に塗るのもなので、さすがに多毛症はありませんでしたが、皮膚に関するもの以外は、ミノキシジルタブレットによるものと似通っています。たとえ頭皮に塗るだけであってもミノキシジルには副作用がありますし、だからこそ髪の毛が生えてくるのだといえるのでしょう。
まとめ
フィンジアの公式サイトをみると、ピディオキシジルについては、『頭皮、毛髪を健やかに保つ』となっています。もちろん薬機法に違反しないような広告表現になっているのでしょうが、現状だとその程度の評価が妥当なんじゃないかと思います。
もし本当にミノキシジルのような効果があるとしたら、もっと評判になってるでしょうし、AGAクリニックなどでも使用されてるはずです。
そうならないということは、臨床実験が少ないことからも分かるように、他の髪の毛に有効と言われている成分と比べたら、髪の毛の成長に期待が持てないということなんだと思います。
現状では「ピディオキシジルが配合されてるから、このスカルプエッセンスを購入しよう」と思えるような成分ではありません。
『ミノキシジル誘導体』という名前に過度な期待は持たないことですね。